博士前期課程 概要
研究対象にする子どもは、幼児から青年期まで幅広いのが特徴です。
児童学研究科では、研究対象となる子どもを幼児から青年期までとし、幅広い層を研究できるようにしています。博士前期課程では、子どもの多様な側面を幅広く研究できる工夫と、子どもを総合的に理解するカリキュラムを組んでいるのが特徴です。児童学を研究しやすいように「児童研究基礎論」は1年次の必修とし、本研究科が扱う研究領域の全容を理解するとともに、今日的な児童問題を幅広く展望する力を養えるようにしています。
修士論文作成スケジュール
1年次
- 研究テーマの設定
- 指導教員の決定
2年次
- 修士論文構想発表会
- 修士論文中間発表会
- 論文・要旨の提出
- 論文の試問及び最終試験
- 修了式(学位記授与式)
取得可能な免許状や資格
- 小学校教諭専修免許状
- 幼稚園教諭専修免許状
- 学校心理士受験資格(要実務経験1年以上)
- 臨床発達心理士受験資格
- ピアヘルパー受験資格
※専修免許状の取得には、各一種免許状を取得している必要があります。
児童学コース
教育学、保健学、福祉学、文化学から、子どもを幅広く学べるコース
児童学コースは、児童教育学、児童保健学、児童福祉学、児童文化学の4研究領域からなり、院生はこの4領域から一つを選択して主領域とします。主領域を決めたうえで(12単位以上の修得)、他の領域からも履修します。開講科目は、社会変化の中における子どもを研究する「児童教育学特論I」などがあり、子どもについて深い専門知識と幅広い視野が得られます。
過去の主な論文テーマ
- 幼少期から中学生までの理科への好き嫌いの変化とその要因に関する研究
- 児童養護施設における自立支援のプロセス ― 子どもと職員との関係性に焦点をあてて ―
修了後に考えられる進路
- 大学教員、短大教員、専門学校教員
心理学コース
児童心理学と学校心理学の理解を通じて、高い実践力と専門性を養う
心理学コースでは、子どもの認知や情動発達、心理学的視点からの教育現場における問題の研究方法、幼児・児童の心理査定などを学べます。また、所定の単位を修得することにより、学校心理士の受験資格、臨床発達心理士の受験資格を取得することができます。いずれの資格も、最近特に注目されています。
過去の主な論文テーマ
- 大学生の就職活動維持過程の検討 ― ライフキャリア・レジリエンスに注目して ―
- 幼児期における心の理論発達と集団遊びの関連
修了後に考えられる進路
- 大学教員、短大教員、専門学校教員、カウンセラー、施設職員
保育学コース
幼児を取り巻く環境の理解を深めるとともに、実践技術も高める
保育学コースでは、幼児そのものと幼児を取り巻く環境の問題について、基礎保育学と実践保育学の2研究分野からアプローチできます。児童虐待や不登校、いじめなど、子どもに関わる社会問題が多く発生しているなか、「子育ての在り方」「保育の質の向上」「家庭環境と育児」など、幼児を取り巻く環境について、保育学の基礎的なテーマに即しながら学ぶとともに、実践的な技術も身につけることで、保育の専門家、研究者を目指します。
過去の主な論文テーマ
- 保育者における幼児の特性の捉え方と保育観の関係
- 多文化保育の研究 ― 保育環境の視点から ―
修了後に考えられる進路
- 大学教員、短大教員、専門学校教員
授業科目一覧(開講科目は変更になる場合があります。)
- (注1)児童研究基礎論は、1年次の共通基礎科目で、各領域の教員による総合科目。
- (注2)課題研究は、2年次の論文指導科目で、全教員が研究課題に応じて担当します。
- (注3)実践研究は、各領域の学外研究で、各領域の全教員が研究課題に応じて担当します。
修了必要単位数
児童学コース
必修科目8単位と主領域の科目(実践研究を除く)12単位以上を含め、合計30単位以上
心理学コース
必修科目8単位と児童心理学領域の科目(実践研究を除く)12単位以上を含め、合計30単位以上
保育学コース
必修科目8単位と保育学領域の科目(実践研究を除く)12単位以上を含め、合計30単位以上
小学校教諭または幼稚園教諭の専修免許状取得の条件
小学校教諭または幼稚園教諭の専修免許状を取得する者(一種免所有者に限る)は、各コースの修了要件を満たし、小学校教諭専修、幼稚園教諭専修の欄に●印を付されている科目より24単位以上修得すること。
学校心理士受験資格取得の条件
学校心理士受験資格を取得しようとする者は、各コースの修了要件を満たし、学校心理士欄に●印を付されている科目を修得すること。
(受験のためには定められた期間「学校心理士に関する専門的な実務経験」が必要。)
臨床発達心理士資格取得の条件
臨床発達心理士の資格を得ようとする者は、各コースの修了要件を満たし、臨床発達心理士欄に●印を付されている科目を修得すること。
※児童心理学実践研究については、勤務経験によって免除される場合がある。