言語文化研究科 │ 聖徳大学

研究科概要 日本文化専攻

日本文化専攻 博士前期課程

日本語、日本文学、日本文化の
3分野から研究領域を選択

日本文化専攻は、日本語、日本文学、日本文化の3分野を、比較文化と現代文化の基礎の上で学べるようにしています。日本語領域には、日本語の音韻・文字・語法・語彙・文体・方言などを研究する日本語学と、外国人に日本語を教えるための知識・技能を修得できる日本語教育の2分野を設けています。日本語教育では、日本語学校の授業見学や授業実習なども行い、日本語教育能力検定試験にも対応しています。日本文学領域では、古代から現代に至る日本文学の特質を考究します。外国文学と比較、対比する比較文学も学べます。日本文化領域では、日本史学、図書館学、書道学を比較文化学的観点も取り入れながら学ぶことができます。

日本文化の特質を学び
今日的な心の問題を解明

日本の文化を根底で支えているのは言語であり、「言語」と「文化」は相互に密接な関係にあることから、日本語表現または日本文化に、日本人がどのような意識を持って接しているのかを探求することで、日本文化の特質を学び、日本人の今日的な心の問題を解き明かしていきます。また、古い日本語を研究する場合は古典文学が対象となりますが、古典文学における日本語とは狭い範囲の文学・歴史・思想・民俗にとどまることなく、各々がつながっているとし研究する点に本専攻の特色があります。

いじめの問題、表現力の低下などを
言語態度、言語行動から研究

本専攻では、日本人が言語に対してどのような価値を見出して、どのように活用し、その利用法を後世に伝えてきたかといった「言語態度」「言語行動」の側面に焦点をあてることで、日本人特有のコミュニケーションのあり方を研究しています。そのため、高齢者の孤独化、家族・親子同士でのコミュニケーションの困難、言語を基とした「いじめ」の問題、青少年の表現力の低下といった具体的な問題を、「言語態度」「言語行動」という側面から、文化の問題としてとらえて研究することもできます。

インターネットが思考に与える影響など
文化が言語をどう変容させるかを探求

日本文化が日本人の言語意識をどのように変化させているのかを正しく分析するため、日本語がもつ種々の問題点を分析・研究できます。たとえば、インターネットや携帯電話などのネットワークコミュニケーションの広がりにより、青少年の思考は短絡化し、結果・解答・解法を安易に求める姿勢がますます加速化傾向にあります。こうした今日の社会状況を勘案して、日本文化の構造と特質、その歴史的意義などを認識することで、日本語の成り立ちと言語意識について新たな分析を行い、未来に向けてどのように取り組むべきかを導き出します。

論文指導方針

学生が研究しようとする計画をとりまとめた研究計画書を基本に、どのような指導体制がとれるか、また研究テーマ設定の妥当性について検討しながら、主指導教員、副指導教員を決めます。

過去の主な論文テーマ
  • 日本語の「曖昧表現」に関する研究 ―中国語との対照を中心に―
  • 若者言葉について ―ギャル語を中心に―
  • 現代日本語の漢字音と現代中国語の漢字音(北京音及び上海音)の対照的研究
  • 評価モダリティと認識モダリティの考察 -「べきだ」「はずだ」「なければならない」「ほうがいい」を中心に-
  • 複合格助詞の意味機能 -「について」「に関して」「に対して」を中心に-
  • 日本語の自動詞・他動詞 -有対の動詞を中心に-
  • 五木寛之の作品に見られる外来語の研究
  • いわゆる「無敬語地帯」における待遇表現の研究 -栃木県都賀郡太平町をフィールドとして-
  • 日本と中国における太陽神話
  • 接字を伴う漢字熟語の構造 -日本語教育への応用-
修了後に考えられる進路

高度な国語科教員、博物館・図書館などの文化的機関での専門的担当者、国際交流における専門的担当者。

日本文化専攻 博士後期課程

日本の言語と文化、社会との関係性について
国際化・学際化・現代化の視点から究明します。

博士後期課程では、現代性・国際性・学際性という人文学の理念を基底に据えて、より高度な知識・能力・技能を身につけていくことを目的に研究を進めていきます。博士前期課程の理念と実績を踏まえながら高度な教育研究に取り組み、その成果として博士号の取得を目指します。また、国際人ニーズの高まりに鑑み、特に国際性を養えるように古代から現代に至る日本文化について内外の視点から究明していきます。
研究視点の一つは、人間の文化的営みの根底に深く関わっている言語と文化、社会との関係性についての究明です。言語の仕組みを背景にしながら、現代社会における言語意識や言語と文化との関わりについて、博士後期課程ではさらに発展させた研究に取り組みます。
また、現代化・国際化・学際化というコンセプトに立った教育研究を行えるように共同研究体制をとり、各種の研究プロジェクトを推進しています。各自の研究テーマに沿った特定プロジェクトに参加し、研究方法を習熟しながら、より高い研究成果を目指せる仕組みにしています。

論文指導方針

博士後期課程では、複数指導教員体制とし、各自の研究能力に個別的にかつ緻密に対応しています。また、入学するときに、必要単位の取得および博士論文提出を見通した履修と研究に関する全体的な指導を行っています。

過去の主な論文テーマ(博士論文)
  • 現代日本漢語の漢字音
  • 中近世における日本人編纂の韻書の研究 -和漢・漢和聯句の韻書を中心に-
  • 日中法律用語の対照研究 -日本語教育の立場から考える
  • 日本語における限定助詞の歴史的変還に関する研究
  • 「無意識類副詞」とその周辺に関する研究
  • 『交隣須知』の研究 -系統論を中心に-
修了後に考えられる進路

民間教育機関における日本語・日本文化の教育者・指導者、各種研究機関における研究者、博物館・図書館などの文化的機関での専門的担当者、国際交流における専門的担当者。

PAGE TOP