修了生紹介(岩渕琴美さん)
22.07.14
【博士前期課程にて自身が取り組んだ研究】
私が博士前期課程において取り組んだ研究は、う蝕原性細菌に対する乳酸菌の抗菌効果についてです。
この研究に取り組むきっかけとなったのが、歯科医院に勤務していたときの体験でした。
このとき、高齢者施設に入居している方々の口腔内の状態が芳しくないことを認識しました。認知症のため満足な口腔清掃が行えず、口腔内の状態は悪化するか現状維持の状態という方が多くおられました。このような現状を目の当たりにし、食事から口腔内に対してアプローチできないかと考えたことがきっかけです。
研究内容は、う蝕の原因菌といわれている Streptococcus mutans に対する乳酸菌の増殖抑制効果を検討しました。また、乳酸菌製品を摂取することにより、口腔内細菌叢に影響を及ぼすかどうかを調査しました。結果は、実験に使用した乳酸菌が Streptococcus mutans に対し抗菌活性を示しましたが、口腔内細菌叢に関しては今後さらなる検討が必要であるという結論に至りました。本研究で得られた結果は今後に生かしたいと考えています。
聖徳大学大学院へ入学後の日々の研究では、様々な発見と知識を得ることができました。
細菌に関しては管理栄養士過程で学んだことしか知識がなく、細菌の培養を一から学びました。主査としてお世話になりました小松﨑典子准教授には、細菌の培養から細菌の特性、研究の進め方など様々なことをご指導いただきました。日々の研究の中で、細菌の変化や結果を検討し、多くの発見があり充実した日々を送ることができました。
【今後のキャリアについて】
現在は聖徳大学大学院を卒業し、聖徳大学の人間栄養学部にて助手をしています。入職して半年ほどになりますが、学生を教える立場として責任を持ち、日々の業務に取り組んでいます。博士前期課程でお世話になりました先生方がいらっしゃるこの素晴らしい環境で、自身のキャリアアップのために研究を重ねようと考えています。現在は修士論文の成果を発展させるため、抗菌効果のあった乳酸菌を食品に利用できないかと検討しています。また自身が研究をすることで、学生への指導にも活かせたらと思います。5 年後 10 年後はさらに教育者としても
研究者としてもステップアップしていたいと思います。