教職研究科 │ 聖徳大学

オンライン学習(Teams)による学びの展開

20.06.30

教職研究科 金子英孝

大学院への通学が困難となり、やむを得ず始めた感があるオンライン学習(teams)であるが、院生の学びが昨年に比して不十分であると感じたことはない。オンライン学習が彼らの学ぶ意欲を阻害する要因ともなり得ていない。むしろ逆に、その特性を活かし、従来に比して密度の濃い院生相互の連携と学びが図れているものと解している。以下、その内容を述べる。
1 質疑の活発化
大学内で対面授業する際には、協議しやすいように人数に応じて座席配置を工夫していた。それでも発言が控え気味になってしまう院生が生じてしまっていた。
それが今回は、システムの関係で6人(自分を含めれば7人)は画面上で均等に向かい合う体勢となり、否が応でも発言せざるを得ない局面に立たされ、結果として相互の質疑が活発化している。対面授業では設定しにくい、挙手やうなずきの相互に一目瞭然の状態となっていることも協議の雰囲気を盛り上げている。
2 資料活用の充実
対面授業においてデータ提示する場合、機材を準備・設定する手間が必要である。それが、相互にパソコン室にいる状態と同じであるため、自分の提案を画面上に表示することが容易となっている。また、話し合いの中で急遽必要となった場合でも、データさえ手元にあればすぐに提示できているなど、データ提示が大変容易な状態となっている。
また、教育法規に関する冊子や学校運営に関する在籍校の資料など、重量もあり、大変にかさばるため持ち運びも容易ではない。そのため、従来は講義の中で不自由を感じることが多かった。それが今回は自宅に保管したまま、いつでも活用することができている。講義中に、ある内容を調べるよう指示した場合でも、自宅内にある資料全部を活用することができているため、学びが途切れることがないのも本学習ならではの展開である。
3 連携の深まり
講義の細部について予定変更が生じた場合、従来では受講生へ連絡し合う手立てがなかなか困
難であった。それがオンライン学習では、講義ごとのチームが組めているため、必要な情報を必要な人へ事前連絡することが確実に、そして容易となっていることである。
しかも院生は、次回の講義において提案する資料をファイル提示できるため、個々の関心の高さに応じて予習することも容易となっている。またそれは、他の院生への刺激ともなり、学びへの起爆剤となっているものと考える。

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