教職研究科 │ 聖徳大学

発達障害教育研究―通常学級における発達障害のある児童に関する新たな学び

20.10.11

春学期火曜日3限の特別支援教育科目(選択)の授業「発達障害教育研究」は、Web会議システムTeamsを利用して行い、河村久先生と腰川一惠が授業を担当いたしました。
本授業では、院生に発達障害の特性について事前に調べて発表してもらい、講義を通して脳科学や心理学の観点からわかってきた発達障害の特性について理解を深めてもらいました。さらに、特性に基づいた個別支援や授業実践の学びを通して、これまでの実践を振り返り、個と集団における支援、授業での合理的配慮を的確により良いものにしていくにはどうしたらよいのかについて討議しました。

今年度は、受講生が1名ということで、受講生同士の話し合いはできませんでしたが、疑問があることについては、やりとりをしながら説明を行うことができ、また、具体的な事例についても時間をかけて議論を行い、検討していくことができました。

受講した院生は、本授業を通して、「薬物療法,環境調整や認知に応じた支援により、児童が今持っている強みを引き出すことで、集団の中で自分が必要とされ,自分の役割を果たすことの充実感を味わう経験を重ねることができる。弱みに対しても,教師や友だちとの人間関係や成功体験の積み重ねの上に自己選択などを通して、行動を調整できることを増やしていくことが必要であると理解できた」、「発達障害のある児童は、 個々によって困難の重なり合いやこれまでの経験など違うため、支援と児童の変容との関連を評価・改善していくことの重要性にも気がついた」と述べられていました。

理論と実践を往還しながら発達障害のある児童に関する学びを深められたことは、小学校における特別支援教育のさらなる深化とともに、多角的な視点で児童を見つめ、教育を考えることにつながることと期待しています。
(文責:腰川 一惠)

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