教職研究科 │ 聖徳大学

特別支援教育フォーラム2021

21.11.25

特別支援教育フォーラム2021
特別支援教育の未来を考える ~小・中・高・大とつながる特別支援教育を目指して~

令和3年10月30日(土)に、7101教室において、聖徳大学と千葉県教育委員会の共催による「特別支援教育フォーラム2021」を開催しました。今年度は、「特別支援教育の未来を考える」というテーマを掲げ、その上で高等学校における特別支援教育を切り口として、小・中・高・大とつながる特別支援教育を目指してというサブタイトルのもと実施しました。

開会に先立ち、本学を代表して川並弘純学長が挨拶し、第5回目を迎えたフォーラムを対面とオンラインという新しい形で実施できることになった経緯と、本学が特別支援

教育の充実を重点の一つとしていることの話がありました。続いて、千葉県教育庁教育振興部特別支援課の青木課長より、共催による本フォーラムが、全国的に関心が高まっていることの話がありました。

第一部にあたる基調講演は、文部科学省初等中等教育局視学官分藤賢之氏により「新しい時代の特別支援教育の在り方について」という演題で、高等学校の特別支援教育に係るこれまでの取組と、今後の方向性についてたくさんの資料に基づき説明がありました。

続いての、実践発表は、千葉市立稲毛高等学校教諭清水範子氏により「高等学校における通級による指導の現状と課題」という題名で、通級による指導の具体的な実践例を中心とした発表がありました。

シンポジウムは、4名のシンポジストにより、高等学校における特別支援教育について語り合っていただきました。千葉県教育庁教育振興部特別支援教育課長の青木隆一氏からは、教育行政の立場から、教職員の専門性向上、特別支援教育支援員の配置、通級による指導の実施状況等についての説明がありました。

続いて、国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センター主任研究員の小西孝政氏からは全国の高等学校における特別支援教育の状況や研究所で開催している高等学校における通級による指導の担当者研修の実施状況や受講者のアンケート結果などの説明がありました。

そして、千葉県立佐倉南高等学校校長の金田一幸氏からは、同じ敷地内に印旛特別支援学校さくら分校を併設し、通級による指導を実施しており、来年度から三部制高校となるという全国的にもめずらしい体制の高等学校における特別支援教育の実践について、校長という立場からの説明がありました。

最後に、千葉県立松戸向陽高校教諭の川名拓人氏からは、高等学校の特別支援教育コーディネーターとして、また通級による指導の担当者として、高等学校における通級による指導の現状と課題についての説明がありました。フロアには、高等学校の先生方も参加していて、それぞれの学校における特別支援教育の状況や通級による指導の現状の話がありました。

質問としては、自立活動として指導を行う通級による指導の単位認定の現状等具体的な質問も出されました。チャットでは、高等学校における特別教育も地道に積み重ねていくことの大切さを感じましたという感想が届きました。

また、大学院生からの事前アンケートで高等学校において、特別支援教育の理解が進むことにより、どのような変化があるのかという質問等が出されており、シンポジストから障害のあるなしに関わらず教員の生徒理解が進んだという報告がありました。シンポジウムのまとめには、幼・小・中・講・大・その後の生涯にわたりシームレスな特別支援教育を進めること、障害のある、なしに関わらずシームレスな支援を充実させることの重要性を共有することができました。大学院生全員参加し、この成果を参加報告書としてまとめ、報告しました。

本フォーラムは、対面約40名、オンライン約180名、計約220名の参加でした。これまで100名前後の参加者でしたが、聖徳大学と県教育委員会が共同開催する聖徳大学による特別支援教育フォーラムの関心の高まりを感じることができました。今年度初めてアンケートも実施しましたので、集計結果を来年度のフォーラムに反映させていきたいと思います。

最後に、増井三夫副学長から、基調講演、実践発表、シンポジウムの講師の方々への御礼の言葉と、特別支援教育フォーラム2022」に寄せる期待があり、閉会となりました。

追記:本会の企画・運営に携わってくださった、本学事務局の教育支援課の皆さん、千葉県教育庁教育振興部特別支援教育課の皆さん、そして、参加いただいた講師、シンポジストの皆さん、ご参加いただきました全国の皆さんに心から感謝します。「聖徳大学特別支援教育フォーラム2022」もよろしくお願いします。期待していてください。

(文責:堀子榮)

 

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