教育委員会の先生にご列席いただいて開催された教職大学院生の中間発表会
20.09.23
聖徳大学大学院教職研究科では千葉県内の教育委員会から小学校教諭を派遣していただいている。このような背景から、今回の院生の発表会に際しては派遣元の自治体の教育委員会から指導主事の先生方などにご列席いただいた。
発表会は、5月の構想発表会に続く中間発表会(第2回特別教職実践演習)であった。発表はオンラインで行われた。すなわち大学院生たちは自宅からオンラインで発表するパワーポイントを画面上に提示し、これを本学の教員とご列席された先生方が大学の教室で聞くというかたちで行われた。これに際してはオンライン上での入念な予行演習があった。その結果、発表された5名の大学院生の発表はスムーズに行われ、その内容は就学相談、地域と連携した防災体制、地域文化を反映した副読本、若手育成研修体制、主体性を育成する授業づくりと多岐に渡っていた。前回の発表会よりも進展していたが、要因分析、校外からの意見聴取、先行研究との異同の明確化、新規性の明示など今後の課題が指摘された。特筆すべきは大学院生通しの質問の応酬であった。これまでオンラインのため直接の面識はないにもかかわらず、質疑応答のほとんどは大学院生通しであった。他の大学院生から各自治体の資料を送ってもらって行った研究もあり、このような密な関係はこの春学期、大学院生同士の交流を意図的にオンライン授業で図ってきた賜物であると考えられた。
発表会後の連絡協議会では、大学側からは昨年度の報告や今年度オンラインになった経緯や実情の説明がなされ、ご列席の先生から派遣された院生の研究へのご助言やご経験からの教職期間に研究することの価値などのご意見をいただいた。
以上を踏まえ、千葉県の教育委員会から派遣されている1年制の大学院生と最終3年度の大学院生においてはまとめに向かって一層研究に励んでいただき、東京都の教育委員会から派遣されている2年制の1年目の大学院生は今年度はじっくりと先行研究を把握し来年度にかけて大きな研究をしていただけたらと考えている。
教職大学院は大学院教育学研究科と同等に博士課程にもつながる大学院であり、その成果物は修士論文と同等のレベルが要求される。したがって研究目的は自身がやりたい課題や教育現場のニーズに合わせた課題であると同時に、課題の背景となる研究分野の発展に貢献するもの、新奇な風を吹き込むものであることが求められる。我が国発の論文数は減少の一途を辿り研究力の低下が叫ばれている今、本学を修了されて、先生方には教育現場に戻った際に子どもたちに研究マインドを伝えていただけたらと思っている。残りの期間にこれを伝えられるように、一層指導していきたいと考えている。
聖徳大学大学院教職研究科 児童教育コース主任 久保田健夫