教職大学院春学期授業「学習指導の理論と方法」の実践報告
21.09.02
春学期火曜日3限と金曜日6限に児童教育コースの必修科目「学習指導の理論と方法」を南部昌敏と染谷由之の2名のティームティーチング形式で、Web会議システム「Teams」を用いた同時・非対面のリアルタイムオンライン授業を実施した。第1回から第6回は、溝上慎一著「アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換」を教材として、アクティブラーニングとは何か、なぜアクティブラーニングか、様々なアクティブラーニング型授業等について、院生が各章ごとに読み解き、質疑応答と私たちからの補足解説を行った。第7回から第10回は、学習指導要領について、第11回から第14回は「特別の教科 道徳」について、今日までの変遷や基本的な内容を確認するとともに、指導案の作成など実践的な学びを深めた。第15回に本授業での学びを自校でどう生かすかという視点でプレゼンテーションを行いまとめとした。
本授業を終えての院生の感想は次の通りである。
○アクティブラーニングについて、漠然とした理解から、理論や時代背景をもとに理念やビジョンを学ぶことができました。また、教授学習パラダイムから学習者中心パラダイムへの転換の意義、児童理解からの児童との信頼関係の構築、そして教師の意図的・計画的な授業デザインについて、子供たちの可能性を活かすためのアクティブラーニングの考え方について学ぶことができました。また、アクティブラーニングには正解はなく、児童の実態や発達段階に応じて、教師それぞれが創造性を発揮することが重要であることを学び、今後の教育実践で活かしていきたいと思います。
○道徳教育については、道徳の歴史的な変遷を振り返ったことで、子どもたちに今、どんな視点で道徳教育をしていったらよいのかを学ぶ事ができました。また道徳の時間と学校教育全体を通して行う道徳教育の違いについても、分かっているようで分かっていなかった部分でした。そうした基本的な事についても学ぶ事ができたことも良かったです。この講義全体を通して様々な授業実践に触れ、早く自分でも授業がしたいという気持ちが強くなりました。
○前半のアクティブラーニング、そして後半の道徳の授業理論について、自身の読み解きと解釈やプレゼン、先生方による解説、ご指導、協議という形で授業を行っていただいたことで、まさに実体験をもってアクティブラーニングを理解することができました。最終的には自校の実践と関連付けて考えられるようになりました。
道徳については、特別の教科化された歴史的背景から学習・評価の理論、そして高等教育までの系統など、幅広くかつ実践的に学ぶことができました。実際に授業案を検討していただいたことで、2学期の実践にすぐに生かせます。各回の授業を通して,多くの理論を知り,より深く理解したい・更に広く知りたいという意欲が増しました。
(文責: 染谷 由之)