教職研究科 │ 聖徳大学

教職大学院 課題研究発表会(児童教育コース)が開催されました。

23.02.14

1月28日(土)16時より、教職研究科長挨拶の後、児童教育コース1年課程の2名と2年課程1名の課題研究発表があり、発表時間は一人15分間・質疑10分間で行われました。以下に課題研究発表の内容をご紹介します。

<課題研究発表>

MTさん(千葉県柏市小学校教諭)

(研究テーマ)

主体的に学習に取り組む態度の評価に関する一考察~「粘り強い取組を行おうとする側面」と「自らの学習を調整しようとする側面」に焦点化して~

(研究方法と結果)

本研究では、千葉県教育委員会公認「授業づくりコーディネーター」及び各市教育委員会公認「教科専門指導員」の小学校教諭12名が、子供の「主体的に学習に取り組む態度」をそれぞれの側面でどのような姿として捉え、評価しているのかを半構造化面接において収集し、2つの側面の具体的な姿として整理しました。

「粘り強い取組を行おうとする姿」に関して8つの概念が生成され、「自ら学習を調整しようとする姿」に関して7つの概念が生成されました。主体的に学習に散り組む態度を見取る上での課題となる主観的な評価への不安に対しては、評価規準の明確化と学年間における共有化、評価研修等が望ましい克服方法として挙げられました。また、子供の発達特性や座席などの学習環境による態度表出の差に対しては、机間指導で後ろの席まで意図的に回ることや個別に応答しながら支援する、動画を撮影して個々の児童の変容を見取ること等が克服方法として挙げられました。

CKさん (千葉県松戸市小学校教諭)

(研究テーマ)

読み書き困難な児童へのアセスメントに基づく学習支援について~読みの指導に焦点をあてて~

(研究方法と結果)

A小学校で行った「多層指導モデルMIM」に焦点をあて、通常の学級の中で、早期に適切な支援を提供するための必要な条件、実施可能な指導や支援とは何かということを明らかにすることを目的としました。

1年生のMIM-PMの平均点の推移と翌年2年生の平均点の推移から、平均獲得点数向上への効果が明らかとなり、2年生で特殊音節が未習得の児童がいる学年でも、適切な支援を継続することで改善が可能であることが示唆されました。これら読み書きアセスメントの実践研究結果から、通常の学級の中で特殊音節の指導を考慮した1年生の国語科年間指導計画および各文字要素の指導(ルール定着後、ルールがある程度入った時期、読みの流暢性を高める時期、語彙を増やす時期等)段階別の教材を提案しました。

IOさん(千葉県流山市小学校教諭)

(研究テーマ)

小・中学校のおける特別支援教育コーディネーターの専門性向上~自治体独自の特別支援教育コーディネーター養成研修プログラムの開発を通して~

(研究方法と結果)

A市の小・中学校特別支援教育コーディネーターの実態や研修ニーズを明らかにした上で、その専門性を向上させるために必要な養成研修プログラムを開発することを目的としました。

A市の小・中学校特別支援教育コーディネーターを対象にアンケート調査の結果、特別支援教育コーディネーターの業務に関する自己評価に影響する要因として、「年代」や「特別支援教育コーディネーターの経験年数」「特別支援学校教諭免許状の有無」「直近3年以内の特別支援教育に関する研修への参加の有無」が挙げられました。現行の研修を踏まえた年3回実施している「特別支援教育推進研修会」案と新たな枠組みで検討した新任特別支援教育コーディネーター研修と特別支援教育コーディネーターステップアップ研修に分けた研修案を提案しました。

 課題研究発表会では、それぞれの院生の発表の後に児童教育コースの院生と幼児教育コースの院生、先生方からの活発な質疑応答を行われました。最後に児童教育コース主任からの講評を受けて、発表会は閉会しました。

発表していただいた院生の皆様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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